Cases事例

<環境コンサル>青森県漂着ごみ調査~海域ごとの漂着特性を可視化~

背景

海岸漂着ごみは、景観の悪化だけでなく、生態系や漁業、観光資源への影響など、さまざまな課題を引き起こしています。

一方で、どのようなごみが、どの程度漂着しているのかを把握できていない地域も多く、効果的な回収計画や発生抑制対策の検討が難しいという課題があります。

青森県においても、海岸漂着ごみの実態把握と今後の対策検討に向けた基礎資料の整備を目的として、漂着ごみ調査を実施しました。

<環境コンサル>青森県漂着ごみ調査~海域ごとの漂着特性を可視化~

調査概要

当社は青森県より「令和7年度青森県漂着ごみ組成調査業務」を受託し、海岸漂着ごみの実態把握を目的として、2025年10月に深浦町風合瀬海岸、東通村尻屋海岸、平内町久慈ノ浜海岸の3地点において調査を実施しました。

 

調査では、対象海岸に調査区画を設定し、区画内の漂着ごみを回収・分類したうえで、ごみの種類ごとに個数・容量・重量を計測しました。

分類作業は、環境省が公表している「地方公共団体向け漂着ごみ組成調査ガイドライン(令和7年5月 第4版)」に基づいて実施しています。

また、調査結果を整理・分析することで、海岸ごとの漂着傾向や特徴を把握し、今後の海洋ごみ対策に活用できるデータとして取りまとめました。

 

[調査地点の状況] 

 

調査結果

調査の結果、3地点とも個数ベースでは人工物が大半を占め、その中でもプラスチックが最も多いことが確認されました。また、ロープやひも等の漁具を含む漂着物も多く確認され、海岸漂着ごみの多くがプラスチック系ごみで構成されていることが分かりました。

一方で、言語表記調査では海域ごとの特徴的な違いが見られました。

深浦町風合瀬海岸では、中国・台湾や韓国由来の漂着物が確認されました。風合瀬海岸は日本海側に位置するため、海流の影響によって海外由来の漂着ごみが漂着しやすい地域的特徴があると考えられます。

東通村尻屋海岸では、ペットボトルの約9割が表記不明であり、長期間の漂流や摩耗によって表示が判別できなくなった漂着物が多く確認されました。尻屋海岸は太平洋に面していることから、沿岸流や外洋から流入した漂着物の影響を受けやすい海岸であり、多様な漂着ごみが集積する傾向がみられました。

平内町久慈ノ浜海岸では、日本語表記のペットボトルやキャップが比較的多く確認され、中国・台湾や韓国由来の漂着物は少ない結果となりました。久慈ノ浜海岸は陸奥湾内に位置するため、日本海側や太平洋側の海岸と比べて外洋からの漂着物の影響を受けにくく、湾内や周辺地域由来の漂着ごみが多い傾向がみられました。

このように、同じ青森県内であっても、日本海側、太平洋側、陸奥湾側では漂着ごみの組成や由来に違いがみられ、海域ごとの特性を踏まえた対策の重要性が確認されました。

 

 

令和7年度青森県漂着ごみ組成調査業務 報告書(抜粋)

活用価値

調査結果は、海岸清掃の優先順位付けや効率的な回収計画の策定、発生抑制対策の検討などに活用されています。

また、継続的な調査を実施することで、対策の効果検証や経年変化の把握も可能となります。

当社では、海岸漂着ごみ調査の計画立案から、現地調査、分析、可視化までを一貫して実施し、データに基づく海洋ごみ対策を支援しています。

同様の課題をお持ちの自治体・企業の皆様は、お気軽にお問い合わせください。

(担当:空間解析チーム)

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